WELL INDEX  ご利用案内  リコピン 健康アドバイザー  ポイントシステム  よくあるご質問 
 

健康ほっとサロン Dr.福田の健康生活ワンポイント講座

第4回 日常生活での運動(身体活動)について

適度な運動は心身両面で体の治癒力を高め、病気を予防する

適度な運動はさまざまな方法で治癒力を高めます。血液の循環をよくし、体の新陳代謝を高め、気分を爽快にし、ストレスを緩和します。リラクゼーションと快適な睡眠は体がもつ治癒力を高めます。適度な運動では、自然免疫の主役、ナチュラルキラー細胞を活性化し、免疫機能を高めることが報告されています。

 繰り返しストレスを受け、そのストレスをはき出す身体空間が与えられない動物では、体の状態がどんどん悪化します。ところが、ストレスを受けても、身体空間があり、運動できる動物では受けるダメージの量が最小限であることがわかっています。
規則的運動というのは、身体的利点だけでなく、大きな心理的利点(変化)をもたらすことがあります。規則的に運動する人は、運動しない人と比べて考え方が柔軟になりやすく、充足感が高まり、抑うつ感情が軽減するとされます。抑うつ感情は健康維持に悪影響を与えますので、規則的な運動で抑うつ感情を開放することは、心身を健全に整えると同時に、免疫にもよい影響を与えます。運動はさまざまなメカニズムで健康維持に影響を与え、生活習慣病などを予防することがわかっています(表1)。

日常の生活で運動(身体活動)を増やす

米国がん協会は、健常人の場合、がんや心臓疾患、糖尿病の発症リスクを減らすために、週5日以上、1回30〜60分、中等度から強度(かなり活発)の運動を行うことを推奨しています。

毎日の規則的運動が望ましいわけですが、あらたまって運動すると苦になるという場合もあります。運動自体が嫌いな人に無理強いするのはかえってストレスを高めます。その場合は、積極的な運動より、仕事や家事などで体を動かすという身体活動がいいでしょう。
ほとんど運動しないという人であれば、短時間の散歩でも運動になります。体を動かさない生活をより活動的な生活に変えていくことが健康維持に大切です。体の血流をよくして新陳代謝を高め、ストレスを発散してリフレッシュできる程度の運動(1時間程度)を、自分の体力に合わせて、無理のないペースで毎日または隔日程度行うのが適当だと思います。

日頃はエレベーターではなく、階段を使う、交通機関を使うとき一駅前で降り、歩いて目的地に行く、仕事の合間には短時間の運動や歩行を取り入れるなど、さまざまな工夫によって日常生活で運動(身体活動)を増やすこともできるでしょう。

運動の健康への効果は、一般的に運動量に比例すると言われていますが、過度の運動はかえって健康を害することも指摘されています。激しい運動の場合は、急激に大量の酸素を消費するため、多量の活性酸素を体内に誘発して酸化障害を促進することもあります。また、肉体的および精神的ストレスを引き起こす過度の運動では、ナチュラルキラー細胞などの免疫系の働きを低下させることが知られています。 (完)