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こちらは、ウエルインデックス読む栄養素です。

     

読む10  野菜の機能成分- カロテノイド

読む栄養素10では、日常野菜を取り上げ、その栄養素、機能成分と健康の維持、向上について考えてみたいと思います

 1)ニンニク

 

デザイナーフーズピラミッドの最高位に位置付けられる野菜、それがニンニクです。匂いや香りの強い野菜には多くの機能成分が含まれていますが、その代表がニンニクです。この特有の匂いは、アリシンという硫黄(イオウ)化合物です。ニンニクをよく食べる南イタリア、ギリシャ、旧ユーゴスラビアなどの地中海エリアでがん発生率が低いことが注目されました。この地域はトマトト料理(地中海料理)が多い地域ですが、そうした食生活ががん予防にもつながっているかもしれません。アリシンという機能成分は、細胞TCAサイクルの働きを助け(代謝促進)、エネルギー産生を高め、疲労回復、免疫力をアップさせることがわかっています。さらに、コレステロール低下、血小板凝集を抑制(血液サラサラに)することがわかっています。アリシンの他に、カリウム、ビタミンB1B6がニンニクの主な機能成分です。関連して、米国と中国、イタリアでは胃がん発生率低下、米国で大腸がん抑止効果に関する研究報告があります。

 2)キャベツ

 

キャベツはがん予防で古くから注目され、日常食材でいちばん利用されている野菜です。キャべジンUという成分(ビタミンU)は胃薬としても利用されていることはご存じかもしれません。キャべジンUは胃の微小粘膜を強い刺激から保護する働きがあります。キャベツはアブラナ科野菜で、特有成分イソチオシアネートと呼ばれる機能成分を多く含んでおり、現在、この成分への注目が高まっています。イソチオシアネートは肝臓の代謝、解毒機能を助け、発がん物質などの有害物を無毒化するために働く機能成分です。イソチオシアネートの他に、ビタミンC、β-カロテン、カリウム、カルシウム、ファイバー(繊維質)がキャベツの主な機能成分です。また、赤紫色のキャベツはアントシアニンで、抗酸化成分です。また近年、リコピンを含むキャベツ(橙色)が開発され、市販されています。関連して、米国ハーバード大学、国際がん研究基金(フランス)からの研究報告があります。

 3)ダイズ(豆類)

 

畑のお肉、畑の牛乳と言われるのが大豆です。大豆は良質の植物たんぱくと脂質など、野菜としては栄養素をバランスよく含む完全野菜といわれます。そして、納豆、豆腐、飲料、醤油、味噌などあらゆるカタチになって私たちの食卓に上がります。特に大豆イソフラボンという機能成分は女性ホルモン(エストロゲン)の構造に類似しており、がんの増殖を抑えることがわかっています。また、大豆サポニンには抗酸化力があり、免疫力をアップさせます。このサポニンは漢方薬の主要成分として配合されています。イソフラボンの他に、サポニン、カリウム、ビタミンB1、ファイバーが大豆の主な機能成分です。

 4)ニンジン(セリ科野菜)

 

ニンジンはセリ科野菜の代表です。また代表的な緑黄色野菜です。その機能成分の代表はカロテン(α-カロテン、β-カロテン)です。抗酸化力をもつ橙色のカロテンは免疫力を高め、がん予防に役立ちます。ニンジンは皮と肉の間に機能成分が集まっていますので、皮ごと食べるようにするのがポイントです。ニンジンジュースはがんの食事療法で必須とされることが多いわけですが、ビタミンCを摂るためにレモンを加えてジュースにしましょう。カロテンの他、カリウム、ファイバー、ビタミンCがニンジンの主な機能成分です。

 5)タマネギ

 

タマネギをきざむと涙がでるのはアリシンの仕業です。そうです、ニンニクにも含まれる硫黄(イオウ)化合物のアリシンです。アリシンは、血液サラサラ、解毒、有害物を無害化する機能が特徴です。この血液サラサラ成分であるアリシンは、揮発性が高いため、タマネギは食べる直前にスライスするようにしましょう。ただ、タマネギはアリシンより、ケルセチンという独特の機能成分を含んでいるが大きな特徴です。ケルセチンという機能成分は水溶性ポリフェノール成分ですが、熱には強く、抗酸化力が高いことが知られており、がん予防でも注目される機能成分です。また、ケルセチンは日常野菜ではタマネギだけにある機能成分です。タマネギは、アリシンとケルセチンが主な機能成分です。

 6)レモン(柑橘類)

 

元気な高齢者はレモン好きとよく言われます。酸味(クエン酸、ビタミンC)に強いことが、元気で、健康な証拠かもしれません。クエン酸は細胞のTCAサイクルを回す(代謝機能を高める)機能成分です。それでTCAサイクル=クエン酸サイクルと名づけられたわけですね。このクエン酸はレモンに多く含まれ、レモンを100とすると、梅は50、グレープフルーツ・夏ミカンは30ですがんが代謝異常病とされつつある現在、代謝機能を高めることは健康維持のためには大切ですので、一日1個のレモンを摂るようにしたいものです。ニンジンとレモンのジュースなら摂りやすいのではないでしょうか。ニンジン同様、レモンも皮ごと摂る必要があることには留意しておいてください。

 7)トマト(ナス科野菜)

 

がん予防の騎手といわれるようになった機能成分がリコピン(カロテノイド成分)です。米国がん研究所とハーバード大学の研究報告(トマトを週10個以上食べるグループ、全く食べないグループの疫学研究(コホート)が公表されましたが、がんの発症率率には2倍の差がありました。イタリアがん研究所とミラノ大学の報告でも、ミラノなど北イタリアは、ナポリなど南イタリアの2倍以上の消化器がん発症率でした。がん予防でトマトリコピンへの注目が高まっていますが、リコピンの強い抗酸化力ががん予防に役割を果たしているとする見解はほぼ一致しています。また、世界最大のリコピンエキスメーカーのライコレッド社は、世界の研究機関との共同研究でリコピンの機能解明に取り組んでいます。脂様性のカロテノイド成分であるリコピンは、私たちのカラダにもっとも多く分布している天然色素で、代謝が盛んな肝臓やこう丸、副腎などでその代謝を助けていることがわかっています。トマトはリコピンの他に、α・β‐カロテン、ビタミンC・E、フィトエン・フィトフルエンなどが主な機能成分です。

 8)ブロッコリー(十字架野菜)

 

ブロッコリーもアブラナ科野菜ですが、硫黄(イオウ)化合物のイソチオシアネート類のスルフォラファンという機能成分を含んでいます。スルフォラファンは肝臓の代謝機能、解毒化、無害化を助けていることがわかっています。この成分はリコピン同様、近年の研究で急速に注目が高まっている機能成分(ハーバード大学から、がん予防に役立つ機能成分としてスルフォラファンを報告しています)ですがブロッコリースプラウトはブロッコリーの4倍もスルフォラファンを含んでいることがわかり、スプラウトも日常野菜として食卓に普及してきました。ブロッコリーはスルフォラファンの他に、β‐カロテン、ビタミンC、カリウムが主な機能成分です。

 9)まとめ

 

野菜の栄養素の含有量低下が著しい今日です。毎日意識して野菜を摂ることをこの機会に考えるようにしたいものです。もちろん、栄養はバランスよくが基本であることは言うまでもありません。動物性脂肪の消費拡大とともにがん発症率が高まったことは偶然ではありません。20年におよぶ調査に基づいて、米国がん研究所はデザイナーフーズ計画を公表しましたががん、心臓病は動物性脂肪中心の食生活の結果と結論づけたわけです。現在、米国の一人あたり野菜消費量は日本より多く、がん発症率が低下したという事実があります。日常の食生活では野菜をしっかり食べ、野菜のチカラを私たちの健康にもっと役立てたいものです。 (完)       

                          野菜塾(読む栄養素)塾長 高原裕一